神話

神話

人間が、地球上で認識するさまざまな自然物や自然現象、または民族や文化・文明などさまざまな人類社会が遭遇した事象があります。
神話とは、そのような自然の事象や現象を、人類社会が始まった原初の時代における神など超自然的・形而上的な存在や文化英雄などとむすびつけて、一回限りの出来事として説明する物語が主とてあります。
または、人類社会の諸事象の起源や存在理由を語る説話でもあるといえます。

このような性質から、神話および神話が述べる出来事などは、特定の民族や共同体社会の内部においては、人々の中に不可侵の価値規範として従わなければならないものとして意義づけられています。

神話とは、英語ではmyth、またはmythologyになります。
英語のmythologyには「物語としての神話」と「神話の研究」のふたつの意味があります。

例えば「比較神話学」(comparative mythology)は異なる文化圏の神話を比較研究する学問であり、「ギリシア神話」(Greek mythology)とは古代ギリシアの神話物語の体系を意味します。

単語「myth」は口語にてしばしば「誤った根拠」を指して使われますが、学問的に使われる場合は、その真偽を問うことは無いといえます。
民俗学では、神話とは世界や人類がいかにして現在の姿となったかを説明する象徴的な物語と定義されます。

神話という語の比喩的な用法では、根拠も無く絶対的事実だと思われている事象を例えて用いる言葉にも使われ、「日本の『安全神話』が崩れた」といったように使われる場合があります。
これらは、現実が隠蔽され、人々の考え方や行動が何かしら誤った方向に固定化してしまった「常識」とも言えるでしょう。

科学的に考えれば「事実」ではないとしても、「神話」が内包している世界は、人類社会に意味があり、「真実」を含んでいるともいえます。

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